190 研究系及び研究施設の現状
桑 原 大 介(助手)
A -1)専門領域:核磁気共鳴
A -2)研究課題:
a) スピンエコー NMR 法の新たな可能性
A -3)研究活動の概略と主な成果
a) マジック角試料回転(MA S )とスピンエコー NMR 法の組み合わせは、もっぱら固体状態の物質に含まれるスピン系 のJ 結合定数を測定するために用いられてきた。我々はスピンエコー NM R 法を M A S 条件下で炭素−炭素(13C −
13
C )2スピン系に適用した。その結果、今までに観測されたことのない複数の共鳴線が出現した。我々は付加的な共 鳴線の位置および強度を表す解析式を導いて、それらの共鳴線の位置が試料回転周波数と化学シフト等方値差によ り決まることを見出した。さらに共鳴線は同種核間双極子相互作用が存在する時のみ生じることがわかった。
C ) 研究活動の課題と展望
MA S 条件下で用いられるスピンエコーNMR 法は、双極子相互作用を復活させることができる。それゆえ核間距離に関する 情報が粉末試料を用いて簡単に手にはいる。しかしながら、この手法は隣り合った炭素−炭素同士の距離情報を得ようとす る場合にしか使えない。それは付加的な共鳴線の強度が非常に小さいからである。今後は比較的長い核間距離をもったス ピン系に対してもこの手法の適用を可能とするアイディアを考案したい。